戦後レジームと日本の三重苦 5


 戦後レジームと日本の三重苦


(2015年に発表した論文を 加筆、修正)

 5


 ここから反日左翼、共産主義、隠れ共産主義の問題を考えていきたい。これこそが最大の問題であり、大きな謎でもある。日本人以外が反日活動をするというのは、それ自体肯定できるものではないが、なぜそのような活動をするのかということは理解できるだろう。白人至上主義者は当然、有色人種である日本人を見下し、日本人が台頭してくれば反感を持ち、なかには叩き潰したいと思う人もいるだろう。

 同じ有色人種でも、大中華民族主義、小中華民族主義は自分たちこそ世界の中心であるような思想を持っている。有色人種世界では頂点に立って支配したいと思っているし、白人世界に対しても力の劣るときは従属しているフリをするが、力で同等以上だと思えば高飛車な態度に出てくる。当然、日本に対しては、経済力、軍事力などで劣っていたときは友好的であったが、GDPで追い抜いた途端に侵略的な政策に出てきたのである。ただし、その経済力、軍事力は量的に大きくても質の面で疑問視されることが多い。日本に対しては情報戦、諜報戦の側面が大きいだろう。そして日本国内の反日左翼勢力と最も緊密に結びついているのがこの領域なのである。

 共産主義国はその性質上、必然的に日本の国体や資本主義に対して敵対的になる。かつてのソ連はアメリカの同盟国である日本を冷戦の相手としてきたのである。それだけでなく、これまで考察されてきたようにアメリカ内部の隠れ共産主義勢力にとっても、日本の国体は潰すべき対象だったのである。ところが、日本人でありながら日本に敵対する活動をするというのはどのような理由からなのだろうか。

 左翼であることが反日である―これは日本の場合で、すなわち自国に対して敵対的であることが必然である訳ではない。右翼、左翼という言葉はフランス革命の時に生まれたと言うが、このときの左翼勢力が反フランスであったなどということはありえない。現代アメリカの民主党も左翼よりの政党であるが、反米などということはありえないのである。

 日本においても、マルクス主義、共産主義思想が流入してくる以前は左翼といっても決して反日であったわけではない。明治維新はその典型的なものである。 坂本龍馬などは保守である幕府からすれば超左翼であるが、坂本龍馬は熱烈な愛国者と言ってよいであろう。左翼であることが反日につながるのは、やはりそれがマルクス主義、共産主義であるか、間接的にその影響を受けているからだと言えるのである。左翼の中にあるマルクス主義、共産主義の領域に焦点を当てるのが正しい道筋であろう。それは共産主義社会に至れば、上部構造は消滅する―すなわち上部構造の最大のもの「国家」が消滅するのである。そのなかのさまざまなイデオロギーも消滅する。土台ではプロレタリアート、身体労働者がすべてを支配し、生産手段の共同所有による生産が行われるのである。

 すなわち、反国家主義は共産主義の最も本質的なものであるが、これが非常に逆説的でわかりにくいものになってしまうのは、ロシアのように共産党が完全に権力を握ってしまうと、結果的に権力が及ぶ範囲はそれまで以上に国家が強化されるからである。共産主義国家は常に「国家の死滅」のための国家として国家を強化していくことになる―まったく詐術的な国家といえる。まだ、現実に共産主義国家が存在しない時点では、どこかで革命が起きなければその社会形態は実現されない。その段階では現実の社会主義革命が重視されるだろう。しかし、共産主義国家が成立すれば、それに隣接するような資本主義国はたとえ革命が起きなくても、その社会、国家が弱体化、崩壊すればその共産主義国家に引き寄せられ、吸収されることによって共産主義化する、という道筋も成立する。おそらく、ロシア革命後の日本の左翼はこのような可能性を常に持っていたはずである。つまり、日本共産党のように日本国内で積極的、主意主義的な革命を起こす道筋と、フランクフルト学派に影響を受けたような文化的破壊、様々な国家弱体化を目指す道筋とがあるわけである。日本の場合、後者の方が遥かに巨大な勢力になっている、といえるのではないだろうか。これが反日左翼の本質である。このような隠れ共産主義としての反日左翼は、日本共産党のように表面に出た比較的わかりやすい左翼よりも桁外れに危険な存在だといえる。彼らは共産主義的信条をほとんど表に出さないが、共産党と同じくらいマルクス原理主義者である。「国家の死滅」を自明なものとする唯物史観を狂信している点で両者は何の変わりもない。

 これらの事は必ずしも意識されているとは限らず、無意識のうちに行っている場合も多いだろう。特に反日教育の影響を強く受けている場合、その背後の本質的な理由を意識することは困難であろう。1989年から91年にかけての東欧、ソ連の崩壊はこの状況に破壊的な作用を及ぼしたのである。世界では多くの共産党が消滅していった。ところが日本では、勢力が弱まったとはいえ共産党は依然としてなくなる事はなく、マルクス経済学は衰退したが大学教育における左翼傾向は依然として強いものがある。ソ連、東欧の崩壊をマルクス主義、共産主義の否定とはみなさず、自分たちがやればうまく行くと思いこんでいるような姿勢なのである。

 また、現存社会主義の崩壊は反日左翼の姿勢を改めるどころではなく、かえって自暴自棄的な活動を促進した面もある。すなわちマスコミなどによる自虐史観の徹底した強化―従軍慰安婦の捏造や靖国神社参拝問題、その他様々な中国、韓国におもねる報道などに表れている。日教組による反日教育も依然として行われているのである。経済ではバブル崩壊後の金融の引き締めが過剰なほど長く続き、デフレーションが長く尾を引くことになった。円高が進み、日本国内の生産拠点が労働力の安価な中国へと流れていき、日本経済は失業率の上昇、過重労働で疲弊していったのである。中国の経済は急速に成長し、それに伴い急激な軍拡を進めることになった。今から思えば日銀の施策は反日左翼的であったとみなしたくなる。これは隠れ共産主義の日本弱体化―それによる中国への属国化である。この場合でも、現在の中国は共産主義とはまったく逆の強度の資本主義に突き進んでいる、という矛盾を何も考えないのである。まさに白痴化した反日左翼、隠れ共産主義の信者たちである。

 また、大東亜戦争の歴史問題に遡ってみれば、日本の貢献によってアジアの白人植民地支配が終わったというのは全く自明なことであるのに、反日左翼、マスコミ、教育界は一切触れようとしない。それらを侵略だと捏造してきたのである。仮に、反日左翼の中にある唯物史観によっていたとしても、奴隷制からの解放であり、封建制を一気に飛びこして民主的な資本主義市場経済に達したのだから、これは絶賛されるべきことではないだろうか。確かにこの戦争は悲惨な惨禍をもたらしたが、それと植民地支配解放の成果とは分けて考えられるべきものである。しかも、唯物史観では資本主義社会から社会主義、共産主義社会への暴力革命を肯定している。そして実際にはこの革命は、敵対勢力の殲滅戦争の様相を呈するのである。 反日左翼の姿勢は日本の防衛のための戦争には徹底して反戦で、共産主義のための戦争なら問題ない ー完全に肯定するのである。 つまり、戦争そのものに反対しているわけではないのである。このような身勝手で、ご都合主義的な姿勢はもう何と形容したらよいか分からないのである。戦後レジームからの脱却のためには、このような二枚舌勢力を一掃しなければならない。

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