自虐史観と共産主義 2


 自虐史観と共産主義 

 -反日左翼の深層心理-


 4



 しかし、反日左翼は共産主義-マルクス主義、唯物史観信者と断定できるものなのだろうか、という疑問が生ずる。これは実に難しい問題である。共産党員のように表立った活動をしていれば、これは非常にわかりやすい。しかしわかりにくいのは、最近ますます明らかになってきた社会の上層部に大量に存在するであろう隠れ共産主義者である。政界、官界、教育界、学会、法曹界、マスコミなどの領域に多くの隠れ共産主義者が存在するのである。これらの人々がどれくらい共産主義に意識的であるのかさえよくわからない。その中にはかなり無意識的な共産主義者もいるだろう。それ以外の人々にその影響は計り知れないほどを及ぼされている。無意識的な影響の連鎖となると、ある保守の論客が言ったように「思想ウィルス」として伝染していく、と捉えるのが良いのかもしれない。

 反日左翼が必ずしも共産主義とは限らない例を考える事はできる。例えばキリスト教や独自の強い宗教性を持った団体の構成員などである。これら宗教性の強い左翼は、額面上は唯物論を掲げている共産主義とは相容れないはずだが、その共通した反日の目的から、共同戦線を張ることもある。アナーキズムも考えられるところであるが、日本においてはほとんど力を持たず、マルクス主義、共産主義が圧倒的に優勢である。これは共産主義と目的は同じなのであるが、あまりにもダイレクトに目的にアプローチするので、現実的な手段に結びつかないという理由が大きいだろう。

 反日左翼を構成する主要部分は共産主義である。ここではこの結論に従って考察を進めていこう。実際、反日左翼の活動は保守や一般的常識人からすれば、単なる破壊活動でありアナーキズムのようにしか見えないことがある。そこから彼らはアナーキストであるという見解も散見されるのである。しかし、私はそのような事は決してない、と考えている。そこには単なる破壊活動ではない「論理」が存在するのである。



 5



 自虐史観の推進は、GHQの洗脳統治を日本人が受け入れてきた、という事を起点としているが、それだけではなく共産主義者-反日左翼の勢力が大きく拡大されたことが要因になっている。これもまたGHQ内部の隠れ共産主義者が日本の共産主義勢力を拡大させたわけだが、この時共産党員だけでなく、様々な領域の変更が行われている。それは表面上、目立たない形で行われているのである。つまり、GHQの隠れ共産主義の形態が日本においても拡大されていったと考えることができる。ここで大きな疑問は、なぜ共産主義は表立った活動だけでなく、このような隠れた形で存在し、広まっていくことができるのかということである。共産主義社会への道筋はマルクスの言うように経済が基本となる。経済形態は物質的な形態であり、それは誰の目から見ても明らかな変化となって現れるだろう。それは決して隠れて実行できるものではないのである。

 その疑問に対しては、これはあくまでその段階においては「思想」として広まっていったのだ、という答えが返ってくるだろう。ところが、その「思想」の内容からすれば、資本主義社会は資本家と労働者の階級対立が激化していき、最終的に労働者の革命が起こり、資本家を駆逐し、資本主義社会の上部構造を覆し、共産主義社会に至る-その結果、国家はおのずと死滅していく、ということなのだから、これはあくまで「思想」としてのみ存在するはずである。これを実行する主体はあくまで労働者なのだから、資本主義社会の上部構造に属する人々は決してその思想を実行する主体とはなり得ないはずである。行動できるとしたら、それはその思想を伝播する、広めていくといったことだろう。もちろん、このような事は行われてきたわけだが、これら資本主義社会の上部構造に属する人々 、すなわち政界、官界、教育界、学会、法曹界、マスコミなどは、決してそれだけに留まらない-自分たちが共産主義革命を実行している主体だと思っていないだろうか。

 レーニンがそうであったように、労働者は本当は革命を実行する主体にはなり得ない-このように思っているし、またそのように言う人もいる。それはマルクス・レーニン主義となり、さらにフランクフルト学派などに代表されるような、上部構造から変革していくという方向性は広く浸透していったのである。



 6



 上部構造から共産主義革命を実行するというのは、どのような形態を意味するのだろうか。もっとも単純で明快な説明は次のようになるのではないだろうか。唯物史観の定義によれば、共産主義社会は労働者のみがすべてを司る社会である。その社会においては労働者を抑圧する上部構造は消滅している。もし、上部構造自らがその状態を目指すとすれば、自らを消滅させること-破壊させることになる。さらにいえばこれは上部構造の自爆である。このように上部構造の上部構造による上部構造に対する完全なテロリズムが上部構造による共産主義革命である。このように理解すれば、これは様々な巧妙な逆説的論理や情報操作などを用いて、長期間にわたって上部構造を徐々に衰滅させていくようなことも革命なのである。それは労働者が行うような単純な暴力的革命である必要は全くない。

 つまり、それは共産主義革命-共産主義社会に向かうということに建設的な要素は全く存在しないので、それが共産主義の実行であるという事を表面化させ、明示する必要は全くないのである。そこに独自の建設的要素があれば、共産主義に向かうものだということが誰の目にも分かるようになる。その状態は隠れ共産主義が可能になる状態ではないのである。 上部構造は非常に複雑で、微妙なバランスの上に成り立っているので、それを少しずつ崩壊させていくことは、その能力のある人間にとってみれば比較的たやすいのである。そこには非常に専門性の高い知識や能力が要請されており、一般的になかなかわかりにくい。これが上部構造における隠れ共産主義を可能にしている理由であり、それは個人の内面に関わる問題であるがゆえに、それを他者が把握することは非常に困難なのである。

 自虐史観やそれと関連する日本国憲法の問題などは、まさにこのような本質的側面を持っている。長い歴史を持つ日本の伝統、文化を貶め、軽視し、新しい革命的状況を継続する様な憲法になっているといわれている。憲法問題には私は詳しくないので、ここで論じることはできないが、憲法学者自体が隠れ共産主義者、自虐史観に染まった人間である可能性は極めて高く、根本的に信用できるものでない事は心しておかなくてはならないだろう。そもそも彼らは日本を良くしようなどとは露ほども思っていないのである。日本とは全く関係のない、夢のような世界が開けるとでも思っているのだろうか。憲法改正は当然のように行わなくてはならないが、その内容とそれを支える背後の思想的状況、歴史認識を国民の多くが共有することが極めて重要である。しかし、それはまた気の遠くなるくらい困難なことである。

 多くの国民にとって、このような問題よりも日常生活の方が大事なのであり、専門家の言っていることを鵜呑みにしやすい。専門家の言っていることをいちいち疑う事は、多くの心理的ストレスを伴う。憲法改正は日本を戦争に導くものだ、というような幼稚園レベルの戯言を専門家がもっともらしい説明で行えば納得してしまうのである。今の日本国憲法自体がGHQの隠れ共産主義者に強制されたものであり、そもそも根本的に問題外の代物なのである。このような事を全く考慮せず、この憲法を金科玉条のごとく見なすような憲法学者、学者はまさに隠れ共産主義者であり、反日左翼の最たるものなのである。しかし、戦後70年に及ぶ自虐史観の刷り込みと、またアメリカの庇護の下で東西冷戦時代を経済成長に集中できたということ-それによって奇跡的な経済復興を成し遂げ、豊かに安定した生活ができるようになったということが、日本人を戦後レジームに対して保守的にし、憲法改正の問題を先送りにしてきたといえるだろう。しかし、世界情勢の変化はそれを許さなくなってきている、という事は確かに言えるのである。

 憲法問題に関しては、憲法改正という革新的姿勢が日本の保守的状況を守ることにつながる-もちろん、その方向に憲法改正がなされなければ意味をなさない。共産主義にもっと有利になるような憲法改正もあり得るのである。しかし、反日左翼が憲法改正を必死に止めようとするのは、今の憲法が共産主義に向かう内容を持っている証拠である。憲法改正のプロセスの中でこれが明らかになることを恐れるのである。アメリカのなすことを何でも反対する日本共産党が、アメリカの押し付けた今の日本国憲法を必死に守ろうとする噴飯ものの矛盾も、思想と歴史の大きなパースペクティブの中でしか理解できないのである。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック